NISAの出口戦略

NISAの制度開始から4年目を迎えました。
NISAとは少額投資非課税制度のことで、
専用口座で年間の累積購入額が120万円(現時点)まで
株式や投資信託などを売買でき、
配当や売却による利益に税金が掛からないお得な制度です。
本来約20%取られる税金が免除されることになります。
ただし、n年目に購入した商品は(n+4)年目の
最後の取引日までしか維持できません。
つまりNISAの1年目である2014年に購入した商品が
非課税で維持できるのは2018年末までとなります。
そろそろ出口戦略を考えておく必要があります。

なお、私は専門家でも制度の細かい部分を把握してもいないので、
以下の内容に間違った部分がある可能性があることをご承知下さい。

さて、NISAといえども(n+4)年目末の満期までは
通常の金融商品の売買となんら変わりません。
違うのは配当や譲渡利益が非課税となることです。
ですので、特に何かを意識しておく必要はありません。

問題は満期です。
よく満期後の選択肢として、

  1. 通常口座へ移管
  2. NISA口座へロールオーバー
  3. 売却

と言われてはいますが、
市場が開いていて買ってくれる相手が必要で…
何て事を考えると[売却]というのは自動的に実行するのではなく、
所有者が能動的に満期の直前までに売却する、
と言う意味だと考えます。
一番わかりやすい選択ですが、これにより損益が確定します。
他の2つはそのまま持ち続けることを意味し、
[ロールオーバー]なら(n+9)年目の末までまた非課税対象となります。
ただし、[ロールオーバー]は(n+5)年目のNISA購入金額枠での
時価による買い直しになります。
また[通常口座へ移管]も移管時の時価で購入したものとみなされ、
どっちにしろ形式的には損益が確定することになります。
これは満期時には時価(株式で言うと大納会の終値?)で
NISA口座から売却し、同時に通常またはNISA口座で
購入する処理が仮想的に発生すると解釈できます。

ではその効果について状況別に考察してみます。
儲かっている商品を[ロールオーバー]すると、
実質的な含み益をベースとして抱えたままで、
上乗せ分は市場まかせに浮き沈みすることになります。
もちろん売却は任意の時期に行え、
含み益と上乗せ分の損益を確定できます。
前者も後者もついでに配当も非課税となります。
それほど特筆すべきことはありません。

儲かっている商品を[通常口座へ移管]する場合も
基本的には[ロールオーバー]時と同様なのですが、
NISAでは商品(銘柄)個別の損益が重要であるのに対し、
通常口座ではその口座全体の損益で評価ということがあります。
数字上損を被ってはいても、先の実質的な含み益までは
相殺できるので、金銭的にも精神的にも余裕ができます。
しかもその損分はたとえNISA時の含み益とのトータルで
損してなくても税制上の損失としてしっかり計上でき、
その損失の相殺するため翌年以降の利益に
税金が掛からなくなります。
これはNISA後の非課税利益と解釈できなくもありません。

ところでNISAの大きな弱点として挙げられるのが、
個別商品(銘柄)で損している場合に、
塩漬け期間が限られるということです。
満期時にたとえ仮想的ではあろうとも強制的に時価で売られます。
ここで損が確定してしまいます。
これが通常口座であれば他の商品の利益で相殺し、
申告分離課税によって自己名義の他口座との損益通算や、
損失の繰越控除で翌年以降の利益との相殺ができ、
税金面で有利にできますが、
NISAで確定した損は何の役にも立ちません。
その商品が持ち直して高値になったとしても、
税金は最初の購入価格ではなく、
より低い満期時の買い直し価格との差で計算されます。
つまり、現価格が最初の購入価格より低く、
実質的に損している場合でも、利益があると見られて
税金をしっかり取られてしまいます。
したがってNISAで損している商品は[ロールオーバー]して
次の5年で事態が好転するのを願うしかありません。
とはいえ[ロールオーバー]には金額の上限があります。

ということで、現在NISAで損している商品を損切りしないのなら、
満期がくる前、そしてまだ時間的余裕がある時に
何かしら手を打っておくのは理にかなっています。
その手とは買い増しです。
高値で掴んでしまった商品が値下がりしたときに
重ねて購入すれば平均取得単価が下がって、
損益分岐点までの値差を小さくすることができます。
事態が好転すればより短い期間で損失が小さくなり、
あるいは利益に反転することもありえるでしょう。
ただし、さらに値下がりして傷口を大きくする
可能性は十分にありますが。
まあその辺は自己責任で。

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