落雷で地落?

一般にはあまり取り上げられなくても、
専門的な立場から目が止まるニュースってあるものです。
今回は電気主任技術者の資格保有者として
注目したニュースを紹介します。
落雷で分かった火力発電停止の影響度」です。

その内容は中部電力管内の超高圧送電線が落雷によってダウンし、
その影響で大規模火力発電所が自動停止し、
結果大規模な停電が発生したというようなことです。
このこと自体はエラいことなのですが、大変興味を引かれます。
推測するに三相送電線の一線地絡事故なんでしょうが、
一線地絡電流の計算といえば電験三種の鉄板問題です。
教科書で習うことは現実で起こるということですね。

さて、当該事故時には周辺電力会社から
中部電力への電力融通が行われたようで、
その指示を出したのが”電力広域的運営推進機関”だそうです。
そんな機関があるんだ、へぇーと言うぐらいです。

ところで、今回計3回の融通指示があり、そののうち1回は、
東京電力パワーグリッド(東京電力持ち株会社の完全子会社)からの
最大73.5万kWの単独融通だったみたいです。
そこで疑問。周波数50Hzの東京電力は
60Hzの中部電力に如何にして融通したのでしょうか。

東京電力と中部電力の間には3つの周波数変換所があります。
電源開発の佐久間周波数変換所、
東京電力の新信濃変電所、中部電力の東清水変電所です。
で、融通可能な電力はそれぞれ30万kW、60万kW、30万kWのようで、
合計すれば120万kW。
なんだ、73.5万kWなど苦もなく融通できるんですね。

それにしてもわざわざ周波数の違う東京電力だけに指示しなくても、
関西電力で対応してもらえばいいような気がするのですが。
もしかして平常時は東京電力が供給力に
もっとも余裕があるということなんでしょうか。
まあもともと消費量が多そうなので、
ベース供給力も高いというのはありそうですけど。