GoogleのDuo

Google I/O 2016で突如発表されたAlloとDuo。
その片割れDuoがサービス開始となりました。
で、Duoって何かというと、ただのテレビ電話です。
Googleらしいところと言えば、同社押しまくりの
WebRTC/QUICを利用していることぐらいでしょうか。

利用するにはAndroid/iOSで[Duo]アプリケーションを
ダウンロードし実行します。
私はAndroid 4.4のisai LGL22
Android 6.0のIDOL3でセットアップしてみました。

ここでAndroid 6.0で導入されたApp Permissions
本格体験することになりました。
4.4ではインストール時に要求されたすべての権限を許容する必要がありましたが、
6.0では[Duo]アプリケーションを初めて起動したときに、
権限を与えるかどうかを各権限ごとに指定できます。
私はとりあえず全部不許可としてみました。
その後アプリケーションのセットアップを続けていると、
どうしても必要な権限について与えるよう要求してきます。
とりあえず[カメラ]と[連絡先]の許可だけで初期処理は突破できます。
これらは[設定]アプリケーションの[アプリ]-[Duo]-[許可]メニューで
各権限を個別にONすることで実現します。

さて、GoogleのサービスといえばGoogleアカウント(Gmail/Google Apps)で
個人識別するのがお約束ですが、Duoではそれらは利用されません。
携帯電話の電話番号で端末識別します。
したがってWi-Fiしか通信手段のないNexus7(2013)のようなタブレットでは
Duoをインストールすることすらできません。
Google自身がこれまでの[Hangouts]と共存すると言っている意味が分かります。

セットアップの途中で自分の携帯電話の電話番号を入力し、
その番号宛に届くSMSの中に書いてある認証番号を入力して、
その電話番号と端末を紐つけてDuoが利用可能となります。
また、どういう条件かは分かりませんが、
実行中のスマートフォンから自動的に電話番号をとってきて、
その番号を利用することを承認すると、
受け取ったSMSを解析して勝手に端末認証してしまいます。
送られてくるSMSの内容が人間向きじゃないのですが、
これで合点がいきます。
なお電話番号を入力する際、
先頭の’0’はつけてもつけなくてもどちらでもいいようです。
またそのスマートフォンに入れているSIMカードのものとは別の
電話番号を設定しても問題ありません。
とにかくSMSが受け取れさえすれば認証可能です。
実際、私は通話とSMSのみ契約しているガラケーの
電話番号をIDOL3に入力しました。

Duoを導入したisaiとIDOL3で、
200kbpsの速度制限をかけた上でテレビ通話してみましたが、
音声通話については特に問題なく使えています。
音声遅延については体感で0.5秒ほどで、
あまりにも酷い遅延のIP電話も見かけるなか実用に値します。
映像の方の遅延はまあそれなりです。とりあえず見えればいいので。
当然Duoを立ち上げていなくても、また端末ロック中でも着信できるので、
まさに電話のように使えます。
あとでデータ通信量を確認してみても、
驚くほどかかっているというようなことはないようです。
今後音声のみの通話もサポートするようなので
普通の通信手段として育って欲しいものです。

ただそこには大きな壁があります。
通話先指定に電話番号を使うといっても、
通常の音声通話網に乗り入れているわけではなく、
Duoユーザー同士でなければDuoで通話できないということです。
連絡先のリストで、Duoのサーバに登録されていない電話番号には
[招待する]ボタンが付いているだけで通話はできません。
ゼロベースからの普及はさすがのGoogleでも簡単ではなさそうです。
ですがGoogleの思惑も少し見えたような気がします。

現在の携帯電話ネットワークは事実上3G/LTEの2段構成で、
音声通話は3Gが多くを捌いています。
電波効率の悪い3Gは早急にお払い箱としたいところですが
それにはLTEで音声通話を実現するVoLTEの普及が欠かせません。
しかしVoLTEは互換性に問題があるのが現実です。
テレビ電話についても同様です。
日本国内の三大キャリア間で何とかするのならともかく、
全世界で使うことを考えると悲観的な将来しか見えません。
Googleはこの状況を嘆いており、
音声通話という基本機能を既存のキャリアから奪い取るための道具として
超シンプルなDuoを開発したのではないでしょうか。
そしていずれはAndroidの[電話]アプリケーションと統合し、
Google Voiceを出口として公衆回線とも通話できるようにし、
電話ネットワークの乗っ取りを企んでいるような気がしてきました。

はてさて、乗っ取りの件は私の妄想なのか、
Googleが水面下で探る野望なのか。
その答えはAndroid 8ぐらいで見えてくるのかもしれません。

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