Super Bowl XLIX

NFLの2014年シーズンを締めくくる Super Bowl XLIX が開催されました。
記憶に残るものすごい試合でした。
録画した方ももう視聴済みとは思いますが、
以下には試合結果が書かれていますのでご注意を。
なお、今回私はどちらかというとペイトリオッツを応援していましたので、
そういう目線になりぎみにはなっています。

コイントスに負け、最初に攻めるのはペイトリオッツとなりました。
ゲーム前、私は

ペイトリオッツはTEグロンコウスキーに戦術的にミスマッチを作り、
ミドルパスを軸に攻めるのが有効ではないかと考えています。

と書きましたが、
ペイトリオッツは短いパスを中心に攻めていきます。
ランは織り交ぜるにしても中長距離のパスは見られません。
序盤にロングパスを見せなかったのがわざとなのか、
余裕がなくできなかったのかは分かりませんが、
多彩なプレーを横に散らすことで
シーホークスD#に的を絞らせないことには成功したようです。
しかし10ヤードを3回の攻撃で獲っていくような展開では、
そう低くない確率で止まってしまうのは仕方なく、
実際ファーストシリーズは2回目の1stDown更新できずパントで終わってしまいます。
次の攻撃シリーズではランアフターキャッチで稼いで
3rdロングにすることなく順調に進んでいきます。
しかし、エンドゾーンまで10ヤードに迫った3rd&6の場面、
それまでもっていたパスプロテクションが2人を漏らしQBブレイディに襲いかかります。
苦し紛れにこのゲームこれまでの最長のパスをエンドゾーンへ投げ込みますが、
そこに味方はおらずインターセプトされターンオーバー。
ブレイディはポケット内にいたようなのでインテンショナルグラウンディングを避けようと
サイドライン方向への投げ捨てをしなかったのかもしれませんが、
FGは十分決まる距離だったのでそのままサックされてもよかったかと。
かなり不用意なパスでブレイディは調子がいいのか悪いのかよくわかりません。
もしここで点が入っていればゲーム展開はまったく変わったでしょうね。

ところでQ1のシーホークスO#はというとRBリンチのランをベースとして…
ではなくほぼRBリンチのランのみで攻めます。
それ以外ではQBスクランブルが2回あり、パスは1投もしませんでした。
ペイトリオッツに時間をしっかり消費されたにしても偏りすぎでしょう。
どうやらDEニンコビッチが一人でうまくQBウィルソンをスパイし抑え、
オプションでのQBランを選択できなくしていたようで、
リンチのラン一辺倒になり、それを人数をかけてうまく止められたようです。
シーホークスO#攻略のお手本のようです。
ということでQ1は両チームとも無得点で終わります。

続くQ2も同様の展開です。
ペイトリオッツは進むときは進んで2TDに結びつけます。
特に2つ目はTEグロンコウスキーのミスマッチを利用した私お勧め(?)のプレーでした。
まあ距離は30ヤード弱と長かったですが。
シーホークスはやはりリンチのランを抑えられますが、
ルーキーWRマシューズへの44ヤードパスで大きく前進し、
エンドゾーン前10ヤード付近とチャンスをつかみます。
こうなればリンチのランが効きます。
一度のキャリーではそう距離は稼げませんが3回持たせてTD。
シーホークスはQ2残り31秒の場面でも、
残りタイムアウト3つ、自陣20ヤードから攻撃開始。
ペイトリオッツD#はウィルソンのQBランを捕まえられず25ヤードほど失い、
さらに痛恨のフェイスマスクを犯しエンドゾーンまで11ヤードまで迫られます。
残り時間6秒で1stDown。定石ではエンドゾーンへのクイックなパスを試して、
だめならFGというところでしょう。
で、そのパスをまたもマシューズがキャッチ。TDで14-14の同点で折り返します。
もしシーホークスが勝ったならこの時点でのMVP第一候補はマシューズでしょうね。
ところで、このマシューズへのTDパス、
ついていたCBがルーズに守っていたのは疑問です。
時間が時間だけにパスインターフェアランスを取られて
エンドゾーン前1ヤードから攻められたとしても、
シーホークスはFGを選択した可能性がありますし、
リンチのランがきても止めて無得点に抑えられたかもしれませんでしたし。
もっとべたべたにいくべきだったでしょう。

前半はペイトリオッツがショートパス中心で堅実に攻めたのに対し、
シーホークスはランがそれほど出ないもののビックゲインで食らいつくという対照的な状況でした。
モメンタムはペイトリオッツ側にありそうですが、一瞬でひっくり返る危うさが感じられます。

さて、今年のハーフタイムショーはケイティ・ペリー。私の知らない人です。
いつもだとそっち方面に疎い私でも知ってる人が出てくるのですが。
気になったのは最後の曲で彼女の手とマイクを結んでいたのが
Wiiリモコンストラップぽかったことです。

後半はシーホークスの攻撃からです。
前半終盤の流れそのままに、リンチのランは相変わらずそれほど出ないものの、
またもマシューズにロングパスが通ってFGで3点加えます。
その次のO#ではリンチとQBスクランブルでのビックゲインがでてTDパスで7点加点。
このTDパス、CBリービスはWRボールドウィンのアクロスパターンに
マンツーマンでしっかりついていたものの、
審判(アンパイア?)と交錯してレシーバーをオープンにしてしまうという不運に見舞われました。
一方のペイトリオッツは攻めあぐねます。
フィールド中央でオープンになって止まったグロンコウスキーへのパスをインターセプトされ、
これが先のTDにつながりました。
このインターセプトのパターンはプレイオフでもありましたし、
インターセプトにはならなかったものの
このゲームのQ2にもWRエデルマンで似たようなシーンがありましたし、危険な香りがします。
その後はプレイオフでブロンコスのQBペイトン・マニングが見せたような
やけくそぎみのロングパスも見られ、結局3&out。嫌な予感がしてきました。
Q3残り3:15で24-14とペイトリオッツは10点のビハインド。
その後は両チームとも3&outが続きます。

Q4残り12:10でペイトリオッツに攻撃権が回ってきますが、サックを喰らい2nd&18。
時間的にも点差的にもペイトリオッツの逆転は十分に可能ではありますが、
諦めムードも漂い始めました。
しかしここまでまったくダメだったロングパスがWRエデルマンに通り、
これで息を吹き替えします。
相手の反則にも助けられますが、
ブレイディーが前にステップすることで局面を打開し、TDパスまでこぎつけます。
3点差に迫られプレッシャーのかかったシーホークスは、
ロングパスを多投するもインコンプリートで3&out。
その後のペイトリオッツはBRバリーンのワンハンドキャッチや、
グロンコウスキーへのミドルパス×2でTDパスまでもっていき24-28と逆転します。
残り時間は2:02、4点を追うシーホークスは自陣20ヤード地点からTDできなければ敗北です。

もはやリンチのランでチンタラ進んでいられない状況。
シーホークスはエンプティでパス攻撃。
で、WRの位置にセットしていたリンチがレシーブし、
ランアフターキャッチで敵陣49ヤードまで入ってきます。
ここで2ミニッツウォーニング。残り1:55秒で時計が止まります。
とにかくTDが必要なシーホークスO#はパスパスパス。
そしてWRカースへ運命のロングパスが放たれます。
しっかりとカバーされされており、ボールを弾くのがやっとでしたが、
なんとカースの体でバウンドして地面にはつかず、そのままパスコンプリート。
SuperBowlXLIIのヘルメットキャッチが思い出されます。
って、あれをやられたのはペイトリオッツで、しかも会場も同じフェニックス大学スタジアム。
ペイトリオッツの負けフラグは立ったも同然です。
残り1:06でエンドゾーンまで5ヤード。
デジャブじゃないですが、リンチのラン×3でTDはほぼ確実です。

こうなるとペイトリオッツがどうするのかに注目が集まります。
思いつくのは、すぐにわざとぎみにTDを奪われて時間を1分残し、
最後のO#にすべてを掛けるパターンです。
この戦術はいつかのSuperBowlで見たような記憶があります。ジャイアンツがらみでしたっけ?
幸いなことに3点差ならFGで同点に追いつきオーバータイムに持ち込めますし、
あわよくばTDで再逆転で勝利となります。
復調ぎみのペイトリオッツO#なら可能性はあります。
が、ペイトリオッツはD#で止めることを選びました。どっちにしても博打です。
で、シーホークスは予想を裏切ることなくリンチのランで攻めてきます。
これで残りは25秒と1ヤードと4thDownギャンブル含めての3回の攻撃。
迷わずリンチにハンドオフと思いきや、プレーコールはパス。
ペイトリオッツD#としてはTDを奪られれば負けはほぼ確定で、
レシーバーをマンツーマンして他の全員で中央のランを止めにかかるのが見え見えです。
その逆をついてパスというのは悪いプレーではないのですが、
レシーバーがクロスするのを見越して回り込んだSSバトラーが会心のインターセプト。
一見エンドゾーン内でのレシーブなので、
そのままダウンすればタッチバックで自陣20ヤードからの攻撃になりますが、
多分奪った瞬間はエンドゾーン外だったので、
バトラーは少しでも前に出ようとしました。
もし刹那にそう判断したのなら非常にクレバーです。

逆転は何とか阻止したペイトリオッツも、自陣1ヤード、残り20秒の場面では
時計を進めるためにニーダウンしてもセイフティで2点献上してしまいます。
そうなれば2点差、攻撃権はシーホークスに移りFGで逆転負けです。
このケースなら、QBスニークで少しだけ前に出つつ時間を流すのが最善策でしょうが、
シーホークスD#としてはあからさまにファンブルリカバーTDを狙ってくるのでリスクはあります。
SuperBowlXLVIIでレイブンズのパンターが見せたように、
ブレイディがボールを持ってエンドゾーン内を逃げまくってできる限り時間を使って、
わざとセイフティにしてしまうという手もあります。
普通のパスプレーのごとくパスプロテクションで時間を稼げるので
あまりあからさまではありませんし、投げ捨ても可能なので、
1プレーあたり7秒稼げれば3回で20秒消費できて勝利というストーリーです。
しかしドラマはあっけなく幕を引きました。
ファンブル狙いの超前のめりシーホークスD#がハードカウントに引っかかって
エンクローチメントを犯し5ヤード罰退。
後ろに余裕のできたペイトリオッツは当然ニーダウン。時計が回ります。
シーホークスは最後のタイムアウトで時間を止めますが、
プレー後グロンコウスキーにアービンが手を出したのをきっかけに
両軍入り乱れての乱闘。
結果アービンは退場に、シーホークスはアンネササリーラフネスで15ヤード罰退。
勝負は決しました。
28-24でペイトリオッツは10年ぶりにSuperBowlを制覇しました。
試合後の紙吹雪は例年勝利チームにちなんだ3色になっていますが、
今年は直前までどっちを撒くか切り替えが大変だったのではないでしょうか。

MVPはQBブレイディでした。
勝利のインターセプトをしたバトラーでもよかったかもしれませんが、
O#、D#、スペシャルチームとも突出して活躍した選手はいませんでしたから、まあ妥当かな。
かなりの好ゲームだったSuperBowl XLIX、BDに焼いておくことにします。