PET/CTと放射線測定

今年もまたPET/CTを受けてきました。
これはFDGという糖に放射線物質をくっつけた物質を静脈注射で体内に入れ、
それが糖代謝の高い病巣に集まったところを
体外から放射線量を測定することで位置を特定し(PET)、
同時に臓器の形状も見てしまう(CT)という優れものです。
ただし検査料金が高く、私がお世話になっている病院では8万円くらいします。
まあ半分以上はFDGの代金みたいで、その中には隣県からの輸送費も含まれているはずです。
FDGの半減期は約2時間と短いため、
作ったらすぐに使わないとただの砂糖水(?)になってしまいます。
ということで検査をすっぽかすとFDG代を請求されてしまいます。

FDGは糖の一種なので、常に活動している脳や心臓には集まりやすいのは仕方がないとして、
運動すれば筋肉にも集まるということで前日からなるべく運動しないようにします。
また尿として排出されるため膀胱にも集まり検査の妨げになるので、
待ち時間は大量の水を飲みながらすごし、検査の直前にはトイレに行きます。
そこでは立ってすると足の筋肉を使ってしまうため、男性でも座ってします。
FDGの注射の後は個室でリクライニングチェアーに寝そべりつつTVを見てすごします。

ただ待つのは暇なので、今年は遊び道具を持っていきました。放射線測定器です。
FDGには陽電子がくっついていますが、それがその辺にある電子と結合するとガンマ線が発生し、
検査ではそれを測定しますが、ガンマ線は安価な放射能測定器でも計測可能です。

ということで、今まで使い道のなかったポケットガイガー(Type1)に出張っていただきました。
まあこのために買ったといっても過言ではないんですけど。
今回はiPhone4S(iOS5.1)と組み合わせての計測となります。

以下で今回の測定結果を公開しますが、
ポケットガイガーの本来の目的とは違う使い方をしていること、
1回の測定に20分かかること、
体内ではFDGが常に動いていることなど不確定要素があり、
出ている数値をどう解釈すべきなのかわかりませんので、
あくまでも単なる参考値にすぎないと理解ください。
また測定はセンサ部を頭や胸に載っけて行っています。

最初に通常時の測定では

0.40 cpm
0.04 ± 0.01 μSv/h

程度の値しか出ていないことをお知らせしておきます。
なお、上段が放射線数(個/分)、下段が放射線量(シーベルト/時)です。

さて、FDGを投与する前にPET/CTの検査待合室で空間線量を測ると

3.88 cpm
0.37 ± 0.05 μSv/h

と出ました。そもそも隣の部屋にFDGが置いてあり、
ガンマ線は薄い壁など通り抜けるので、
通常環境より10倍ぐらい高いのも当たり前なのかもしれません。

そしてFDGを静注した直後に測ると

警告 : 振動ノイズを検出
正しく測定できない可能性があります
nan cpm
nan ± nan μSv/h

と表示されてしまいます。
もちろん振動など与えていません。
測定上限を振り切ったような状態なのだと思います。
そのまま続けて20分間の測定により心臓付近で

775.20 cpm
74.75 ± 43.16 μSv/h

の数値がたたき出されました。通常時の100倍を軽く越えます。
その後の数値は下表にざっくりまとめてみました。

経過時間(時) 心臓あたり 頭あたり
cpm μSv/h cpm μSv/h
0:00 775.20 74.75 ± 43.16
3:00 1105.91 106.65 ± 0.88
4:00 704.94 67.98 ± 0.58
4:30 1231.91 118.80 ± 1.19
5:00 515.44 49.70 ± 0.49
5:30 1035.73 99.88 ± 0.79
7:00 225.79 21.77 ± 0.32
7:30 428.41 41.31 ± 0.45
9:00 94.92 9.15 ± 0.21
9:30 157.73 15.21 ± 0.27
11:00 48.91 4.72 ± 0.15
11:30 64.27 6.20 ± 0.17
13:00 27.41 2.64 ± 0.11
14:00 26.21 2.53 ± 0.11
22:00 1.45 0.14 ± 0.03
23:00 1.10 0.11 ± 0.02
25:00 0.90 0.09 ± 0.02
25:30 1.00 0.10 ± 0.02
30:00 0.60 0.06 ± 0.02
34:00 0.60 0.06 ± 0.02
34:30 1.30 0.13 ± 0.02
45:00 0.45 0.04 ± 0.01
45:30 0.45 0.04 ± 0.01

これより、2時間毎に線量が半減している傾向が見られ、これはFDGの半減期に一致します。
だいたい48時間もあれば通常の状態に戻ります。
また心臓よりも脳のほうが2倍線量が強いことがわかります。
心臓のみ、脳のみで単純にざっくり累積すると500μSvぐらいの勘定になりそうです。
これが多いのかどうかは門外漢の私にはコメントのしようもありませんが、
とりあえず年間の線量の限度値(自然由来、医療用を除く)は 1mSv/year だそうです。

ところで、今回ポケットガイガーとは別に組み立てキットのガンマ線測定器を持っていきました。
部品を半田付けして別に用意したPINフォトダイオードを付けて遮光(+アルミシールド)し、
ガンマ線を検出するとLEDが光るような簡易的な代物です。
遮光をといて光を当てるとLEDが光り、
遮光すると光らなくなることが確認できたのでうまく動くかとも思ったのですが、
残念ながらガンマ線に反応してくれませんでした。
増幅率が足りないとかLEDでは点灯がわかりにくいとか原因はいくつか思いつきますが、
安定した線源がない状態では調整も難しいのでこちらはあきらめることにしました。
まあ全部で1500円ほどしかかかっていないので惜しくはありません。

来年も多分検査は受けると思いますので、
今度は短時間測定可能なポケットガイガー(Type4)か
本物のガイガーカウンターでも調達して望もうかと思っているところです。
ただちょっと高いんですよね。
どなたかそのときだけただみたいな値段で貸してくれませんかね。

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